9月17日、平成21年分の基準地価(7月1日時点の地価)が国土交通省より公表されました。
基準地価とは毎年7月1日時点での地価を都道府県が調査し国土交通省が発表する、1平方メートル当りの価格の事です。 本年は全国の住宅地・商業地等の22,435地点と林地589地点が調査対象となりました。公示地価(国土交通省)・路線価(国税庁)と共に土地取引の目安になっています。
今年の基準地価は、全都道府県の住宅地・商業地において平均地価が前年よりも下がりました。 下落率も全都道府県で前年に比べ拡大し約23,000の調査地点別に見ても上昇したのはわずかに3ヶ所と、これらは昭和50年の調査開始以来初めての事となりました。厳しい景気情勢を反映し地価下落の波が全国に波及したと言えるでしょう。
全国の住宅地は前年比4.0%下落で18年連続の前年割れ・商業地は同5.9%下落で2年連続の前年割れとなっており、全用途では前年比4.4%下落で18年連続となりました。
特に三大都市圏での不振は大きく、住宅地前年比5.6%・商業地前年比8.2%下落といずれも全国平均下落率を上回ります。各圏域の中心街では前年に比べて15%〜20%前後地価が下がった場所もあります。
これは、ミニバブル崩壊による投資マネーの流失、景気悪化による不動産需要の減退やオフィスビルの空室率の増加による賃料の低下などが原因です。実際に東京都心ではビル空室率は7%台に達しておりますし、名古屋は自動車産業の減産が大きく響いたようです。
地方圏は住宅地前年比3.4%、商業地4.9%の下落になっています。引き続きの下落傾向でしたが、三大都市圏ほどの下落幅が大きくなりませんでした。 ただ中核都市では3大都市圏と同様ミニバブル崩壊により下落幅は広がったようです。福岡の商業地などは前年比30%前後の下落で、下落率ワースト10地点の内5地点を占めました。
一見すると明るい材料のないような感じですが、今年の公示地価(1月1日現在の地価)と比較すると共通調査地点において、下落幅は緩和されている地点の方が多いようです。
埼玉県の基準地価について今年は846地点(林地を除く)で行われました。全国の状況と同じく調査開始以来、前年と比較できる全調査地点で地価下落を記録しました。 埼玉県の住宅地の地価平均115,200円で下落率は前年比5.4%・商業地の地価平均は255,500円で下落率は前年比6.7%となり、下落率はいずれも全国平均を上回ってしまいました。
市町村調査地点別に見れば、住宅地・商業地共にさいたま市や所沢市など昨年度まで上昇率上位の都心に近い県南部で下落傾向が大きいようです。ミニバブル崩壊の反動や不動産需要の減退が要因です。
ただ、住宅地に関してはマンションの大幅値下げや過去最大の住宅ローン減税の影響で4月以降は下落幅が縮小傾向にあるようです。
最後に住宅地最高価格は16年連続で浦和区岸町1丁目で332,000円(24,200円下落)、商業地最高価格は22年連続でさいたま市大宮区桜木町2丁目で167万円(260,000円下落)でした。
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