9月21日、平成22年分の基準地価(7月1日時点の地価)が国土交通省より公表されました。
基準地価とは毎年7月1日時点での地価を都道府県が調査し国土交通省が発表する、1平方メートル当りの価格の事です。 本年は全国の住宅地・商業地等の22,129地点と林地572地点が調査対象となりました。公示地価(国土交通省)・路線価(国税庁)と共に土地取引の目安になっています。
今年の基準地価について、住宅地は19年連続下落で下落率3.4%(前年下落率4.0%)、商業地は3年連続下落で下落率4.6%(前年下落率5.9%)となりましたが前年に比べると下落率は縮小しています。 実際に地価の上昇地点は昨年3ヶ所であったのが今年は27ヶ所、横ばいの地点は昨年257ヶ所であったのが今年は302ヶ所に増えています。
三大都市圏では下落率は半減しており、住宅地の下落率が昨年の5.6%から今年2.9%、商業地の下落率が昨年8.2%から今年は4.2%となっております。 特に都市部では半年前(1月1日)の地価と比較しても、上昇や横ばいの地点が増えて来ています。 この下落縮小傾向は住宅地が牽引する形であり、その理由として、マンションに値ごろ感が出て需要が増えてきた事に加え、 住宅ローン金利の優遇政策等がそれを下支えしていることが挙げられます。
都市部の商業地に関しては下落率縮小はしているものの、まだ回復基調とは言い難いようです。企業が業績悪化により家賃を抑制する、 拠点集約で周辺の賃貸ビルの空室率が上昇する、都心では高級ブランドが相次ぎ撤退しファストファッションの進出する等により 家賃の賃下げ圧力が働いている事が要因です。不動産投資も徐々に復調しているようですが、円高・株安で景気の先行きは不透明感が強く本格的な回復にはまだ時間が掛かるようです。
一方、地方圏では住宅地の下落率3.6%(前年下落率3.4%)商業地の下落率4.8%(前年下落率4.9%)と人口減少の影響などで下げ止まりの傾向は見られませんでした。
埼玉県の基準地価について今年は820地点(林地を除く)で行われましたが、2年連続全地点で下落となりました。
埼玉県の住宅地の地価平均111,700円で下落率は3.4%(前年下落率5.4%)・商業地の地価平均は247,100円で下落率は4.1%(前年下落率6.7%)となりました。共に下落率は全国平均同様縮小傾向にあります。
住宅地・商業地共に東京に近く地価の高いさいたま市や朝霞市など県南部や西部で下落率の縮小が顕著であり、県北部では下落率の高止まり傾向にあるようです。
地価下落に歯止めをかけた要因は、都市部の傾向同様マンションに割安感が出て購買意欲が喚起されたことに加え税制の優遇措置が下支えしているという構図のようです。
最後に住宅地最高価格は17年連続で浦和区岸町1丁目で323,000円(9,000円下落)、商業地最高価格は23年連続でさいたま市大宮区桜木町2丁目で162万円(50,000円下落)でした。
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