9月19日、平成24年分の基準地価(7月1日時点の地価)が国土交通省より公表されました。
基準地価(都道府県地価調査)とは毎年7月1日時点での地価を都道府県が調査し国土交通省が発表する、1平方メートル当りの価格の事です。 公示地価(国土交通省)・路線価(国税庁)と共に土地取引の目安になっています。 本年は全国の住宅地・商業地等の21,708地点と林地556地点が調査対象となりました。ただし、福島県内の原発に近い31地点では、取引が成立せず価格を判断できないと見て 調査をしませんでした。
今年の基準地価について、住宅地は21年連続下落で下落率2.5%(前年下落率3.2%)、商業地は5年連続下落で下落率3.1%(前年下落率4.0%)となりましたが前年に比べると下落率は縮小しています。 リーマンショック前の平成20年の調査以来の小幅な下落率となりました。実際に地価の上昇地点は昨年88ヶ所であったのが今年は658ヶ所となっています。 住宅ローン減税の効果や地価投資マネーの流入などが後押ししているようです。また本年の特徴として、都市圏では耐震性などに優れた新築オフィスビル周辺地価が上昇する傾向がありますが、 地震が将来想定され津波が伴うと見られる各地の沿岸部では地価が下がる現象が起きているなど、東日本大震災を契機とした防災意識が地価に影響しているという見方があります。
三大都市圏では利便性を背景にした住宅の好調な売れ行きがあり商業地にも波及しているようです。東京圏では前年に上昇地点が3地点(全用途) だけでしたが、本年は148地点に増えました。東京スカイツリー周辺の押上駅近辺では前年比9.4%上昇となっています。
地方圏でも下落幅が縮小しています。北陸新幹線が開通予定の金沢周辺や九州新幹線が開通して1年半たった博多駅前など、利便性が高まった 開発地域で上昇や横ばいが見られます。
被災地では地価の二極化が進んでいます。高台や復興が進んでいる地域を中心に上昇地点が増えています。岩手県陸前高田市の高台では住宅地で全国トップの上昇率 14.6%を記録しています。
埼玉県の基準地価について今年は743地点で行われましたが、新規の3地点と林地の6地点を除く737地点の内訳は、上昇が3地点(住宅地2、商業地1)、横ばい55地点、下落は679地点でした。
埼玉県の住宅地の地価平均107,800円で下落率は1.7%(前年下落率2.7%)・商業地の地価平均は247,200円で下落率は2.0%(前年下落率3.3%)となりました。共に下落率は3年連続で縮小しています。
さいたま市など県南部やニュータウン開発で人口増著しい伊奈町で下落率の縮小傾向が見られ、秩父や県北部では下落率が高い傾向にあるようです。依然として南北格差が広がっています。
また、原発事故直後に放射線が検出された三郷市などでは下落率が拡大し、少なからず震災の影響があったと言えるかも知れません。
最後に住宅地最高価格は19年連続で浦和区岸町1丁目で320,000円(1,000円上昇)、商業地最高価格は25年連続でさいたま市大宮区桜木町2丁目で158万円(10,000円上昇)でした。
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