9月19日、2019年分の基準地価(2019年7月1日時点の地価)が国土交通省より公表されました。
基準地価(都道府県地価調査)とは毎年7月1日時点での地価を都道府県が調査し国土交通省が発表する、用途別の1平方メートル当りの価格の事です。 公示地価(国土交通省)・路線価(国税庁)と共に土地取引の目安になっています。 本年は全国の住宅地・商業地等の21,070地点と林地470地点が調査対象となりました。 ただし、福島県内の福島第一原発に近い避難指示区域内の12地点では調査を休止しています。
今年の基準地価は全用途(住宅地や商業地、工業地など含めた用途)の全国平均価格が前年比0.4%上昇となり、昨年に引き続いての上昇となりました。 用途別に見ると、商業地は4年連続の上昇で前年比1.7%上昇、一方住宅地は28年連続下落で前年比0.1%下落となりましたが、 10年連続でその下落幅は縮小となっています。
今年の特徴として地方圏の商業地の地価が1991年以来28年ぶりに前年比0.3%の上昇に転じたことが挙げられます。前年比10.3%上昇で12年ぶりの二けた上昇となった 地方中核4市(札幌・仙台・広島・福岡)を中心に、訪日外国人観光客増加による旺盛なホテル需要や再開発による人口流入が要因です。ただ、その一方で地方圏の商業地調査地点3,623地点の内約54 %に当たる1,960地点で下落となっており二極化が止まりません。住宅地価でも62.5%の地点で下落など、インバウンド増加や超低金利下での投資や住宅購買意欲の喚起の影響も効果なしという地点が多くあるという事でしょうか。
三大都市圏では商業地・住宅地ともに地方中核四市には及びませんが、上昇が継続しており未だ上昇基調にあると言えます。三大都市圏の商業地は5.2%上昇で、住宅地は0.9%上昇となっています。
都道府県別に見てみると、依然として商業地・住宅地ともに下落してるのが25県あります。過疎化や少子高齢化の影響で鳥取や島根、山梨などでは県庁所在地でも商業地の下落が続いています。
なお、昨年の西日本豪雨で大きな被害が出た岡山県倉敷市真備町や広島県三原市などでは住宅地の地価が大きく下落しました。真備町は16.1%、三原市は15.8%の下落と両街は全国の調査地点で下落率1位2位となっていましました。
埼玉県では832地点(住宅地650、商業地136、工業地43、林地3地点)で行われました。その内、前年と比較できるのは819地点で住宅地価上昇地点は250(前年236)、商業地価上昇地点79(前年73)となりました。 平均変動率については、住宅地は0.7%で3年連続の上昇、商業地は1.8%で6年連続の上昇です。
近年のライフスタイルとして「職住近接」を望む人が増えていますが、まさに都心に近い川口市やさいたま市は大きな人気であり、実に住宅地上昇率の上位4地点を川口市が占めています。
商業地の平均価格は前年に比べ12,800円増の301,600円で全国8位(昨年は6位)となりました。さいたま市大宮区は平均価格1,332,200円、上昇率7.2%と共に市町村別のトップとなっています。
工業地は6年連続の上昇となりました。上昇率3.3%です。EC(電子商取引)の普及により堅調な物流拠点需要が地価を押し上げています。外環自動車道や国道16号線沿いは変わらず人気が高く今後も この傾向が続くと見られています。
住宅地最高価格地点はさいたま市浦和区岸町3丁目で473,000円(上昇率6.3%)で、商業地最高価格地点は32年連続でさいたま市大宮区桜木町2丁目で243万円(上昇率10%)でした。
地点別住宅地上昇率1位は川口市並木元町で9.1%上昇(価格382,000円)、商業地上昇率1位は前述のさいたま市大宮区桜木町2丁目でした。
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