3月23日、国土交通省より平成21年の公示地価が発表になりました。公示地価とは、地価公示法に基づき国土交通省に設置された土地鑑定委員会により算定された、 1月1日現在の土地の1平方メートル当たりの価格をいいます。毎年3月下旬頃、住宅地・商業地など用途別の地価が発表されています。 この価格は、土地取引や資産評価をするに当たり客観的な目安となる指標である他、公共事業用地取得価格の算定の基準となっています。
地価の算定に当たり、調査対象となる土地は1,437市区町村の28,227地点、また、評価方法としては土地本来の価値を示すため、更地とみなしての評価となっています。
平成21年の公示地価の全国平均は住宅地・商業地共に3年ぶりに下落に転じました。住宅地・商業地の全調査地点の内、前年と比較可能な24,157地点で地価が 上昇したのは21地点のみ(約0.08%)であり、これは昭和45年の調査開始以来最も少ない数でバブル崩壊後にもなかった事です。 逆に下落地点は23,435地点(約97%)であり、この事を見ればほぼ全国的に下落傾向にあるとわかります。(ちなみに横ばいの地点は701地点です)
ここまで下落した主な要因としては、アメリカのサブプライムローンに端を発した金融危機による不動産マネーの収縮、景気低迷による実体経済の不振が挙げられます。
平成18年以降、地価上昇を牽引してきた三大都市圏の動向をみれば前述要因の顕著な傾向が見えます。例えば東京圏の商業地では平成20年には前年比10.4%の 上昇率を見せていましたが、今回の調査では下落率6.1%と大きく転じました。他に名古屋圏や大阪圏でも同様に大きく上昇から下落へ転じています。
商業地の下落率が大きかった地点上位10位の内、名古屋市が9箇所東京都が1箇所、住宅地下落率上位10箇所では東京都が9箇所・名古屋市が1箇所と、 東京圏と名古屋圏で占められています。
正にこれは都市部の収益性に注目した不動産投資マネーが大きく冷え込んだ為の反動や土地需要の減退の結果と言えるでしょう。
その一方で公示地価が上昇していた地点の全ては地方圏にあります。再開発地域や観光地・退職者の移住先などの特色ある街づくりの地域が上昇していました。 但し、地方圏の内地方中核都市(札幌・仙台など)では三大都市圏と同じく上昇から大きく下落に転じています。
埼玉県では1,432地点で調査が行われました。住宅地の平均価格は137,000円(前年比3.5%下落)・商業地は328,200円(前年比4.3%下落)となっております。
今年の特徴としてはまず挙げられるのが、前年と比較できる住宅地・商業地の調査地点1,232箇所全ての地点で公示地価が下落した事です。これは実に9年ぶりの出来事です。 特に下落率が高かった地点は、前年まで上昇率が高かった県南部が主であり、景気拡大期に利便性の高さで地価を伸ばした地域が下落したと言えます。
しかしながら、公示地価自体は高止まりしていた県南部が下落しても県内価格順位上位を占めており、傾向的に前年とあまり変わらず県内地価の二極化は続いています。
埼玉県内の最高公示価格は、住宅地:さいたま市浦和区岸町3丁目で370,000円/平方メートル(昨年1位、6.1減)、商業地:さいたま市大宮区桜木町1丁目で2,370,000/平方メートル(昨年1位、7.1%減)でした。
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