3月18日、国土交通省より平成22年の公示地価が発表になりました。公示地価とは、地価公示法に基づき国土交通省に設置された土地鑑定委員会により判定された、 1月1日現在の土地の1平方メートル当たりの価格をいいます。毎年3月下旬頃、住宅地・商業地など用途別の地価が発表されています。 この価格は、土地取引や資産評価をするに当たり客観的な目安となる指標である他、公共事業用地取得価格の算定の基準となっています。
地価の算定に当たり、本年の調査対象となった土地は1,425市区町村の27,804地点で、評価方法としては土地本来の価値を示すため、更地とみなしての評価となっています。
平成22年における商業地・住宅地の公示地価の全国平均は、昨年に引き続き2年連続で下落しました。前年と比較可能な調査地点は27,410地点ありましたが、実にその内の99.6%にあたる 27,302地点で下落となりました。上昇したのはわずか7地点(横ばいは101地点)で調査開始以来最少となってしまいました。 都道府県別に見ても商業地・住宅地共に全都道府県で下落しました。
下落率も前年に比べ拡大しており、平成22年の住宅地の下落率は4.2%(前年は3.2%)、商業地の下落率は6.1%(前年は4.7%)という結果が出ました。
平成22年の傾向として、商業地の下落が激しいと言えます。特に東京都心部の一等地などでは下落率が高く、下落率上位5地点全てが新橋や銀座などで下落率25%超 となっています。例えば毎年公示地価のトップである東京銀座の山野楽器本店は昨年に比べて980万円(下落率25.7%)も下落し1平方メートル当たり2,840万円となりました。 要因としては平成20年のリーマンショック以降不動産投資マネーが止まったこと・オフィス需要の低迷・デフレによる低価格志向の影響などが挙げられます。
この傾向は3大都市圏(東京・大阪・名古屋)でも顕著であり、三大都市圏商業地の下落率は7.1%となりましたが、地方圏の商業地下落率5.3%を上回っています。
地方圏は上記のように下落率では三大都市圏を下回ったものの、18年連続で住宅地・商業地ともに下落し続けています。人口減や企業の投資抑制による工場や百貨店の撤退など構造的な問題が要因のようです。
しかしながら、この下落傾向は昨年の基準地価(平成21年7月1日の都道府県調査による地価)と比較できる地点で推移を辿ると、昨年後半からやや歯止めが掛かっているようです。実際に商業地では14都府県 、住宅地では9都府県で下落率が縮小しています。
埼玉県では1,409地点で調査が行われましたが、昨年に引き続きその全地点で地価が下落しました。住宅地の平均価格は130,100円(前年比5.0%下落)・商業地は304,900円(前年比6.3%下落)となっております。 住宅地ではバブル崩壊以降最低を更新、商業地では平成19年並の水準となりました。
商業地では全国と同じ傾向で、今まで不動産投資マネーが流入していた県南や所沢で商業地の下落が激しくなっています。
一方住宅地では県北東部で下落が大きく、最も下落が大きかった市町村は騎西町となっています。
埼玉県内の最高公示価格は、住宅地:さいたま市浦和区岸町3丁目で370,000円/平方メートル(昨年1位、6.1減)、商業地:さいたま市大宮区桜木町1丁目で2,170,000/平方メートル(昨年1位、下落率8.4%)でした。
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