3月17日、国土交通省より平成23年の公示地価が発表になりました。公示地価とは、地価公示法に基づき国土交通省に設置された土地鑑定委員会により判定された、 1月1日現在の土地の1平方メートル当たりの価格をいいます。毎年3月下旬頃、住宅地・商業地など用途別の地価が発表されています。 この価格は、土地取引や資産評価をするに当たり客観的な目安となる指標である他、公共事業用地取得価格の算定の基準となっています。
地価の算定に当たり、本年の調査対象となった土地は1,396市区町村の26,000地点で、評価方法としては土地本来の価値を示すため、更地とみなしての評価となっています。
平成23年における商業地・住宅地の公示地価の全国平均は、昨年に引き続き3年連続で下落しました。前年と比較可能な調査地点は25,507地点ありましたが、下落したのはその内の約95%に あたる24,232地点です。一方で上昇した地点193地点であり上昇地点数が過去最低であった前年(7地点)と比べると、リーマンショック以降の下落基調から転換しつつあると言えるかもしれません。 実際に住宅地・商業地ともに下落率の全国平均では昨年よりも縮小しており、住宅地の下落率は2.7%(前年4.2%)、商業地の下落率は3.8%(前年6.1%)と推移しています。
三大都市圏(東京・名古屋・大阪)では下落率縮小が目立っており、前述の本年上昇地点193地点の内171地点が三大都市圏内です。三大都市圏の住宅地下落率は1.8% (前年4.5%)と改善されており、住宅ローン減税や低金利・贈与税非課税枠の拡大などの政策効果による影響もあって、東京都中央区や千葉県浦安市などは下落から上昇へ転じています。 商業地に関しても企業の収益回復や賃料低下により下落率は2.5%(前年7.1%)と改善されています。
地方圏でも同様に下落率は縮小しているものの、地価の動きは鈍く住宅地の下落率3.6%(前年3.8%)・商業地の下落率4.8%(前年5.3%)となっております。
以上のとおり、地価の下落は縮小傾向にあるものの、公示地価は平成23年1月1日現在であるので注意が必要です。それは3月11日の東北地方太平洋沖地震の影響による地価下落の懸念があるからです。 実際に公示地価では上昇に転じた湾岸地域において地震による液状化現象などが起きており、原発事故や東北地方の被災状況を考えれば、地価は下落基調に ならざるを得ないかもしれません。
埼玉県では1,317地点で調査が行われましたが、本年は住宅地の平均価格が128,400円(前年比2.3%下落)・商業地は302,500円(前年比2.7%下落)となっております。
住宅地に関して、昨年は上昇地点がありませんでしたが本年は1地点で上昇しました。地価上位の順位は6位まで変動ありませんでした。
商業地では、昨年同様上昇地点はありませんでしたし上位10位にも変動はありませんでした。
埼玉県内の最高公示価格は、住宅地:さいたま市浦和区岸町3丁目で345,000円/平方メートル(昨年1位、0.6%減)、商業地:さいたま市大宮区桜木町1丁目で2,120,000/平方メートル(昨年1位、下落率2.3%)でした。
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