3月18日、国土交通省より平成27年の公示地価が発表になりました。公示地価とは、地価公示法に基づき国土交通省に設置された 土地鑑定委員会により判定された、1月1日現在の土地の1平方メートル当たりの価格を言います。 毎年3月下旬頃、住宅地・商業地など用途別の地価が発表されています。
この価格は、土地取引や資産評価をするに当たり客観的な目安となる指標である他、公共事業用地取得価格の算定の基準となっています。
地価の算定に当たり、本年の調査対象となった土地は23,380地点で、評価方法としては土地本来の価値を示すため、更地とみなしての評価となっています。 但し、上記調査地点の内、福島県内の調査地点で福島第一原子力発電所の事故で立ち入りが制限されている避難指示区域内の17地点に ついては引き続き調査を休止しています。
本年の公示地価の前年比変動率は、全国平均で住宅地が前年比0.4%下落(前年0.6%下落)で下げ幅は縮小し、商業地が 横ばい(前年0.5%下落)となり7年ぶりに下げ止まりました。共に5年連続で公示地価が改善されています。
東京・名古屋・大阪の三大都市圏では、全用途での平均が0.7%上昇で2年連続のプラスとなっており、堅調な地価回復傾向を示しております。
背景には、大規模金融緩和による低金利の長期化で企業や国内不動産投資信託の不動産取引の活発化や、円安による海外マネーの流入が 挙げられます。また、オフィスを拡張する企業が増えてきているのも一因です。都心などの主要都市で賃貸物件の空室率が低下してきており、賃料が上昇しているのは 地価回復を後押ししていると言えるでしょう。今後法人実効税率の引下げなどによる企業の収益力増加が更なる追い風になるかも知れません。
その一方で地方圏を見てみると、三大都市圏とは反対に全用途で1.2%下落しており、下落幅は縮小しているものの23年連続のマイナスとなってしまいました。 依然として大都市と地方での二極化が鮮明となっておりますが、地方の都市でも金沢の商業地(上昇率17.1%で全国1位)は三大都市圏の商業地を上回る上昇率をみせました。 大都市と同じく投資マネーの流入が要因と言えますが、それを喚起させたのは北陸新幹線などの利便性向上に伴うインフラ整備や都市の再開発と言えるでしょう。
住宅地に着目してみます。全国上昇率ベスト10を占めたのは全て福島県いわき市です。同市では被災者による住宅需要が集中し供給不足が起こっているほどです。 一方で都市近郊の住宅地や地方の住宅地では地価の伸びが鈍っています。例えば、東京都23区では上昇率が拡大しているものの、 郊外の多摩地区や埼玉県、横浜、川崎などでは伸びが鈍化しているようです。これは消費増税や建築コストの増加などに起因していると思われます。こう見ていくと都市圏・ 地方圏の二極化だけでなく、それぞれの大都市とその周辺でも二極化が起こっている傾向が見られます。
県内の公示地価は商業地・工業地が0.5%上昇する一方で住宅地は0.0%の横ばいとなりました。これは前述の都市とその郊外の二極化の要因と同じで 消費増税の反動などによる需要減が大きく作用したようです。
本年は1,169地点で調査が行われましたが、上昇地点は377地点(昨年471地点)、横ばいは414地点(前年315地点)、下落は358地点(前年359地点)でした。 用途別に上昇地点を見ると、住宅地は昨年367地点でしたが今年は276地点に減少、商業地は昨年は90地点だったのが83地点に減少しています。住宅地の方が上昇率 の伸びに鈍化が見られます。市町村別に見てみれば、相変わらず利便性の高い南部に上昇地点が集まっています。住宅地の上昇率が高い順にさいたま市大宮区・伊奈町 ・さいたま市浦和区及び北区(同率)・戸田市となっており、商業地の上昇率が高い順にさいたま市大宮区・さいたま市南区・戸田市・さいたま市浦和区・さいたま市中央区となっております。
住宅地の最高価格は4年連続で川口市幸町の507,000円、上昇率最高はさいたま市大宮区北袋町で3.3%です。商業地は最高価格が24年連続で さいたま市大宮区桜木町233万円、上昇率最高も同地点となっております。
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