大山税理士事務所

平成24年路線価

国税庁は7月2日、相続税や贈与税の算定基準となる平成24年分の路線価(平成24年1月1日現在)を公表しました。 路線価は土地の評価の基準となる価格の一つで、主要道路に面した1平方メートル当りの土地の評価額です。 毎年1月1日を評価時点としており、平成24年分の調査地点は全国約36万ヶ所となっています。

国土交通省が公表する公示地価(毎年3月下旬発表、1月1日現在の地価)のおよそ8割を目安に、実際の売買事例などを加味して国税庁が算定します。

昨年11月に公表した東日本大震災を考慮した調整率は見送られて、東日本大震災後の実勢が反映された全国の路線価の発表は初めてとなります。

全国の路線価

平成24年分の標準宅地の路線価の平均変動率は2.8%下落となり、4年連続の下落ではありましたが前年の下落率3.1%よりは縮小しました。 また、昨年同様全都道府県で平均変動率が下落しておりますが、下落率は23都道府県で縮小しており特に大都市圏を中心に下落の底打ち傾向にあるようです。

実際に東京都で下落率1.2%(昨年下落率2.0%)・大阪府で下落率1.7%(昨年下落率3.4%)・愛知県で下落率0.5%(昨年下落率0.8%)など三大都市圏では縮小となっています。

利便性を重視した都心志向が震災後に一層強まった事や、市況の底入れが近いと見て国内外の不動産投資マネーが流入し始めているのが主な要因と 言えそうです。

また、各都道府県所在地の最高路線価について、上昇をしたのは札幌・名古屋の2都市で、横ばいは8都市(金沢・津・大津・京都・大阪・奈良・福岡・那覇)と西高東低の傾向となっています。

路線価日本一は27年連続で東京都中央区銀座の鳩居堂前で1平方メートル当たり2,152万円、前年より2.2%の下落率(前年5.2%下落)になっています。

東日本大震災の影響

福島県では福島第一原発事故の約20キロ範囲の警戒区域と計画的避難区域について、前年と同様に「立ち入りが禁止されて評価が難しい」という事で評価額は「0」となりました。 (あくまで税負担の軽減措置という事で、価値がないというわけではないようです。)県全体の下落率は6.7%で、昨年の3.3%下落よりも2倍程度下落率が広がりました。

他にも激しい被害を受けた岩手・宮城でも下落率は拡大しています。岩手県は6.0%下落(前年5.7%)、宮城県は3.8%下落(前年3.7%)となっております。東北地方では秋田県を除く 全県で下落となっております。

太平洋沿岸の静岡・和歌山・高知でも下落率は拡大しており、巨大地震発生への懸念が影響している可能性があります。

埼玉県の路線価

埼玉県内の標準住宅の路線価の平均変動率は、2.4%の下落率(前年2.5%下落)に留まりました。

埼玉県内税務署別に最高路線価を見てみると、全15税務署の全て下落となりましたが、今までと同様、県南部では変動率は下げ止まり傾向であり、西部や北部では下落率拡大傾向にあります。

県南では、人口増加傾向にありマンション需要が堅調である事、昨年夏頃より土地取引が回復基調なのが下落率縮小の要因です。しかしながら、長期的には少子高齢化の人口減少傾向であり マンション等の供給過多への懸念が出ています。

県内最高路線価は21年連続で「大宮駅西口駅前ロータリー」で1平方メートル当り222万円で前年比1.3%減です。また、下落率がもっとも大きかったのは本庄駅南口前通りで4.8%の下落となっております。

路線価に関するリンク

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