国税庁は7月1日、相続税や贈与税の算定基準となる平成26年分の路線価(平成26年1月1日現在)を公表しました。 路線価は土地の評価の基準となる価格の一つで、主要道路に面した1平方メートル当りの土地の評価額です。 毎年1月1日を評価時点としており、平成26年分の調査地点は全国約34万ヶ所となっています。
国土交通省が公表する公示地価(毎年3月下旬発表、1月1日現在の地価)のおよそ8割を目安に、実際の売買事例などを加味して国税庁が算定します。
公示地価の調査地点23,380地点よりも格段に多い地点で算定されています。
平成26年分における全国の標準宅地の路線価平均変動率は前年比0.7%の下落となり6年連続の下落となりましたが、引き続き下げ幅は縮小しました。
都道府県別に見れば、昨年と比較し上昇したのは8都府県、横ばいは1県、残る38道府県も下落はしているものの下げ幅は全て縮小しました。また、 県庁所在地別では18都市が前年と比べて上昇となりました。(昨年は7都市でした。)
東京や大阪はリーマンショック前の平成20年以来6年ぶりに上昇し、愛知県では2年連続の上昇です。東京周辺の神奈川・埼玉・千葉も上昇しており 三大都市圏他都市部では投資マネーの流入・景況感・オフィス需要等が後押ししている様です。また、大都市では平成27年に控えた相続税の改正も地価上昇の要因の一つの様です 。
相続税の改正で基礎控除の引き下げ等による納税対象者の範囲が広がる事により、その対策としてマンション購入需要が増えているようです。一般的にマンションは物件価格に占める 割合が土地より建物の方が大きく、建物は時間経過と共に評価が低くなる傾向があるからです。
その他、首都圏では五輪による開発も上昇要因のひとつとなっています。
東日本大震災の被災地の福島と宮城でも上昇しています。これは震災後の沿岸部からの住宅移転需要が大きな要因です。福島県では平成4年のバブル崩壊以来22年振りの 上昇、宮城は都道府県別で最も高い上昇率となりました。ただ、安全な場所へ移転したい被災者にとっては厳しい地価上昇の様です。福島原発周辺では引き続き評価が難しいとの事で路線価は「0」と されました。
路線価日本一は29年連続で東京都中央区銀座の鳩居堂前で1平方メートル当たり2,360万円、前年比9.7%の上昇となっております。
県内に15ある税務署管内の約16,900地点での調査結果が公表されました。標準住宅の路線価の平均変動率は0.1%の上昇で、上昇に転じるのは6年ぶりとなりました。
県内15税務署ごとの最高路線価を見ると、上昇地点は6地点となり昨年の1地点から大幅に増えました。横ばいは8地点となりました。
利便性による住宅需要やオフィス需要などで埼玉県内の地価は反転傾向にあります。その一方で南北格差は変わらずの様です。
県内最高路線価は23年連続で「大宮駅西口駅前ロータリー」で1平方メートル当り241万円で前年比7.1%増で、同地点は2年連続の上昇となりました。
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