大山税理士事務所

平成28年路線価

国税庁は7月1日、相続税や贈与税の算定基準となる平成28年分の路線価(平成28年1月1日現在)を公表しました。 路線価は土地の評価の基準となる価格の一つで、主要道路に面した1平方メートル当りの土地の評価額です。 毎年1月1日を評価時点としており、平成27年分の調査地点は全国約32万8千ヶ所となっています。

国土交通省が公表する公示地価(毎年3月下旬発表、1月1日現在の地価)のおよそ8割を目安に、実際の売買事例などを加味して国税庁が算定します。

公示地価の調査地点よりも格段に多い地点で算定されており、また、相続税や贈与税などの算定基準となるので注目を浴びています。

全国の路線価

平成28年分の路線価(標準宅地)は平均変動率が前年比0.2%増加となり、リーマンショック前の平成20年以来8年ぶりに上昇に転じました。

三大都市圏での地価上昇が地方中核都市に波及したというのが今年の特徴です。実際に都道府県別に見た時に、昨年は東京・大阪・愛知を含む 10都府県で地価上昇を記録しましたが、本年はそれに加えて北海道・広島・福岡・熊本が上昇に転じ、計14道府県で地価が上昇しています。また、下落した33県を見ても その内の29県で下落率は縮小しています。

※前述にある様に、今年の路線価は平成28年1月1日現在の地価であり、熊本地震が発生する前となります。

地価上昇の主な要因は、不動産投資の活発化・低金利による住宅需要の高まり・堅調なオフィス需要、そしてインバウンド(訪日外国人旅行)需要です。

昨年の訪日外国人観光客は過去最高の1,973万人であり、観光地ではそれに伴う出店ラッシュ・ホテル需要の高まり・利便性の向上などがあります。 また、上昇率上位には宮城県と福島県が入っていますが、これは復興事業による住宅需要によるものです。

※福島県について、東京電力福島第一原発事故の避難指示区域は、算定が困難だとして引き続き路線価を0にしています。

しかし、今年に入って中国経済の減速や円高傾向によりインバウンド需要の陰り、イギリスのEU離脱問題による金融市場の不安定化などが発生しており、 地価は既にピークアウトしていると見る向きもあります。

路線価日本一は31年連続で東京都中央区銀座の鳩居堂前で1平方メートル当たり3,200万円、前年比18.7%の上昇となっております。

※鳩居堂前は平成4年のピーク時には3,650万円、また、最下降した平成9年には1,136万円でした。

埼玉県の路線価

県内に15ある税務署管内の16,788地点(前年と比較できる地点は16,407地点)での調査結果が公表されました。昨年と比較できる継続調査地点の 路線価の平均変動率は0.2%の上昇で、3年連続の上昇となり上昇率も拡大しました。関東信越国税局管内6県で上昇したのは埼玉県だけです。

県内15税務署ごとの最高路線価を見ると、上昇地点は昨年同様6ヶ所ではありましたが横ばいは8ヶ所、2年ぶりに秩父だけが下落してしまいました。

さいたま市を中心とした県南部では北陸新幹線や上野東京ラインの開業、新規商業施設の開業の影響は大きく、逆に先の秩父などは人口が減っており、 地価の南北格差が大きく広がっています。

県内最高路線価は25年連続で「大宮駅西口駅前ロータリー」で1平方メートル当り276万円で前年比7.0%増で、同地点は4年連続の上昇となりました。

路線価に関するリンク

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