大山税理士事務所

2019年路線価

国税庁は7月1日、相続税や贈与税の算定基準となる2019分の路線価(2019年1月1日現在)を公表しました。 路線価は土地の評価の基準となる価格の一つで、主要道路に面した1平方メートル当りの土地の評価額です。 毎年1月1日を評価時点としており、調査地点は標準宅地で全国約32万9千ヶ所となっています。

国土交通省が公表する公示地価(毎年3月下旬発表、1月1日現在の地価)のおよそ8割を目安に、実際の売買事例などを加味して国税庁が算定します。

公示地価の調査地点よりも格段に多い地点で算定されており、また、相続税や贈与税などの算定基準となるので注目を浴びています。

全国の路線価

2019年分の路線価(標準宅地)は平均変動率が前年比1.3%増加(前年は0.7%増加)となり4年連続の上昇となりました。

まずは都道府県別に見てみましょう。前年比で上昇したのは19都道府県(昨年18都道府県)で、本年は昨年の18都道府県に石川県と大分県が加わり滋賀県が下落に転じました。 石川県と大分県は27年ぶりの上昇でいずれも観光需要の高まりが地価を押し上げました。横ばいは兵庫県のみで下落は27県です。

上昇率トップは沖縄県で8.3%。続いて東京4.9%、宮城県4.4%。以下、福岡県・京都市・北海道と続きます。首都圏の東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県では6年連続の上昇となりました。

一方下落した県の内、22県の下落率は縮小していますが、和歌山県、福井県、滋賀県などは下落率が拡大してしまいました。

更に、都道府県庁所在地別に見てみると、前年比上昇は33都市、下落は1都市で残りは横ばいです。横浜市、さいたま市、名古屋市、大阪市などは地価がバブル期の6割程度に回復しています。

鳥取市はただ一つの下落の県庁所在地となりました。平成30年間の内バブルの1992年がピークで路線価は95万円でしたが、その後一度も回復せず今年は105,000円(前年比4.5%下落)でした。

こうして見てみると、依然として大都市は再開発で、人気観光地はインバウンド効果で、或いはその両方で地価は変わらず上昇傾向にありますが、 一方で再開発が進んでいない利便性がない、或いは人気観光地を擁さない場所では人口減少が大きな地価の下落圧力となっているようです。 高松市や水戸市、秋田市などの地価はピーク時の1割程度ですし、後述の最高地価の鳩居堂前と前述の鳥取市では地価が434倍の格差が生じています。二極化は益々先鋭化されているといえるでしょう。

それでも地方の中心部では地価の下落で手ごろ感が生じ、高齢者のマンション需要が高まっています。山間部より利便性の高い中心部に移住が進んでいます。高知市などでは南海トラフ地震の懸念もあり、津波対策としてマンションの高層階に人気が集まっています。

地点別の前年比最高上昇率は北海道ニセコ地区で50%(昨年は88.2%)です。また、地点別の最高地価は34年連続で東京銀座の鳩居堂前の4,560万円で、3年連続の高値更新です。なお、この鳩居堂前の上昇率は2.9%で前年の9.9%よりは鈍化しました。 都心や横浜、名古屋などでは地価の高騰により投資マネーが減速傾向でこの様に伸びが鈍化しています。が、投資意欲は減退していないようです。

埼玉県の路線価

県内15,979地点での調査結果が公表されました。昨年と比較できる継続調査地点の路線価の前年比変動率はプラス1.0%で6年連続の上昇となり、上げ幅も引き続き拡大し上昇傾向が顕著になりました。

県内15税務署管轄内ごとの最高路線価を見ると、上昇地点は10ヶ所、横ばいは5ヶ所となり、4年ぶりに下落地点が0となりました。上尾署・熊谷署が横ばいから上昇へ、秩父署が下落から横ばいに転じました。

変わらず南部の利便性は地価の上昇を呼び込みそれが県全体に波及しています。今後も都心の地価上昇が続く限り、都心より割安な県南を中心とした上昇傾向は続くと見られています。

しかしながら、県北と県南のとの差は広がるばかりで南北の二極化傾向は止まりません。

県内最高路線価は28年連続で「大宮駅西口駅前ロータリー」で1平方メートル当り370万円、前年比12.1%増であり、同地点は7年連続の上昇となりました。

路線価に関するリンク

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