大山税理士事務所

平成22年路線価

国税庁は7月1日、相続税や贈与税の算定基準となる平成22年分の路線価(平成22年1月1日現在)を公表しました。 路線価は土地の評価の基準となる価格の一つで、主要道路に面した1平方メートル当りの土地の評価額です。 毎年1月1日を評価時点としており、平成22年分の調査地点は全国約38万ヶ所となっています。

平成20年より路線価の閲覧はインターネットのみとなっております。

全国の路線価

平成22年の標準宅地の平均路線価は、前年より11,000円減の1平方メートル当り12万6,000円となりました。2年連続の下落で下落率は8.0%と前年の5.5%より拡大し、 昨年に引き続き全都道府県で下落しております。特に都市部での落ち込みが顕著であり、東京都は全国最大下落率11.3%を記録しました。 その一方で、地方では都市部より下落率は小幅にとどまった形です。都市部では平成18年前後のミニバブルで大きく上昇した分、ミニバブル崩壊後にその分が跳ね返ってきたと言えるでしょう。 都道府県庁所在地別の最高路線価を見ても、昨年同様上昇した都市は無く45都市で下落、横ばいは津市及び山口市のみでした。

圏域別に見ても、2年連続で三大都市圏(東京・大阪・名古屋)は下落、その下落率も前年より拡大しています。地方圏では下落はしているものの、三大都市圏よりも下落率は縮小しています。

路線価の全国一位は25年連続で東京・銀座の鳩居堂前銀座中央通りで1平方メートル当り2,320万円でしたが、前年比25.6%の大幅下落でした。

この様に本年の路線価はリーマンショック以降の冷え込む不動産市況を映し出していますが、一方で地価反転の兆しが一部で見られます。利便性の高い都心に近い都市部では 地価の下落でマンションの販売価格が4〜5年前の水準となり値ごろ感が出て復調気配を見せているのが要因のようです。

今年の公示地価との比較

今年3月に発表された公示地価(平成22年1月1日現在)では、前年と比べて住宅地で4.2%減・商業地で6.7%減となっておりました。本年の路線価の下落率8.0%とは開きがあります。これは両者の前年比平均の算出方法に違いがあるためです。

公示地価では各調査地点の上昇比率を単純に平均するのに対して、路線価では調査地点の地価額の平均値で上昇比率を算出するためです。従って路線価の方は伸び率の高い大都市の影響を大きく受ける事になります。

(参考)3種類の地価の指標(当Webサイト内)

埼玉県の路線価

埼玉県内約1万8,200調査地点の標準住宅の平均路線価は、前年比5.2%減の10万9,000円となり、下落率は昨年の3.3%から拡大しました。

埼玉県内の路線価を県内税務署別に見てみると、昨年同様全15署において下落となりました。

県内最大の下落幅を記録したのは、「所沢プロペ通り」で14.7%の下落率を記録しています。下落率が大きい場所は県南部に目立ち、これは全国の傾向と同様ミニバブル崩壊後の反動で下落率が大きくなったと言えます。不動産投資マネーの影響が元々小さかった秩父や本庄など では、県南部に比べて下落率は小さくなっております。

利便性の高い県内の浦和やさいたま新都心では、前述同様マンション販売の復調気配があるようです。しかし、これも利便性の高い場所に限った話であり 依然郊外では厳しい状況が続いています。

県内最高路線価は19年連続で「大宮駅西口駅前ロータリー」で1平方メートル当り230万円で前年比8.0%減です。

路線価に関するリンク

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